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Argus RAG Studio

RAGパイプラインの構築(Build)・検索/生成(Retrieve & Generate)・評価(Evaluate)・運用/デプロイ(Operate & Deploy)を一か所で扱うオープンソースのセルフホスト型RAGプラットフォームです。「一度動くRAGデモ」ではなく、品質を数値で測る評価ハーネス、最適設定を自動探索するスイープ、フィードバック還流、エージェントベースの遠隔デプロイまで備え、オンプレミス・エアギャップ(閉域網)で運用できます。

Apache License 2.0 · オープンソースGitHub リポジトリ製品紹介資料
パース戦略5種チャンキング戦略8種ベクトルストア5種

RAG とは

LLM が単独で答えると、最新情報も根拠もありません。RAG は回答の前に自社の文書を検索し、見つけた根拠の上でのみ回答を組み立てます。

RAG 未使用と RAG 適用 — インデックス作成(事前準備)とクエリ(リアルタイム)の二つの経路
RAG 未使用と RAG 適用 — インデックス作成(事前準備)とクエリ(リアルタイム)の二つの経路

文書を入れれば、根拠付きの回答が返ります

社内規程・マニュアル・契約書をそのまま取り込み、質問に合う根拠を検索して [n] 引用付きの回答を生成します。すべての文が原文の位置まで遡れるため、担当者が根拠を確認したうえで業務に使えます。

出張費規程を例にした根拠ベース回答の5ステップ
出張費規程を例にした根拠ベース回答の5ステップ

概念図

構築・検索/生成・評価/運用の3つの面が単一のデータ面上で動作し、推論サーバーとデプロイは標準インターフェースで分離接続されます。

Argus RAG Studio システム構成
Argus RAG Studio システム構成

特徴と強み

01

測定 → 最適化 → 改善ループ

ゴールデンセット・Hit Rate/MRR・LLM-as-Judge 3軸で品質を数値化し、設定スイープがチャンク・検索モード・リランカーの最適な組み合わせを自動探索、ユーザーフィードバック👍/👎はゴールデンセットへ還流します — 自前構築RAGの多くが欠くループが標準機能です。

02

ハイブリッド検索+引用付き回答

ベクトル(pgvector)とレキシカル(tsvector)をRRFで融合し、リランキング(LLM・インプロセス・cross-encoder)で並べ替え、[n] 引用付きの回答をSSEでストリーミングします。異種埋め込みのナレッジベースもフェデレーションクエリで一括検索できます。

03

韓国語・韓国文書に特化

HWP/HWPX専用Rustパーサー(rhwp)、kssによる韓国語文分割、VLM・OCR(PaddleOCR)によるスキャン文書パイプライン、AI-Hub互換アノテーションまで — 一般的なオープンソースRAGフレームワークにはない軸です。

04

エアギャップ・エージェント遠隔デプロイ

モデルをパック(pack)として搬入しデプロイ時に自動インストール。各ホストのエージェントがワーカー・埋め込み・リランカー・VLMサーバーを遠隔デプロイします。zotレジストリでコンテナまで完全オフライン — 金融・公共・防衛の網分離要件に対応します。

RAG の全工程を一枚で

収集から検索・生成・評価・運用・デプロイまで — ツールを継ぎ合わせず単一プラットフォームで管理します。

構築・検索/生成・評価/運用の3軸と、それを支えるデプロイ基盤
構築・検索/生成・評価/運用の3軸と、それを支えるデプロイ基盤

文書ルーティング — どのナレッジベースに入れるか

分類は文書が何であるかを示すだけで、どこに入れるかは決めません。ファイル名・パス・メタデータから埋め込み類似度や LLM の判断まで、ルーターを組み合わせて取り込み前に宛先を決定し、その判断をすべて記録します。

3 つの取り込み経路とモード、ルーター 7 種、ポリシー合成とフォールバック
3 つの取り込み経路とモード、ルーター 7 種、ポリシー合成とフォールバック

文書パース — 原本をテキストへ

同じ PDF でも、表が要となる文書とスキャン原稿では読み方が異なります。ファイル形式と品質要件に応じてパーサーを差し替え、どの経路を通っても表と見出しが残る一つの Markdown に集約します。

パース戦略 5 種とファイル形式ごとの自動選択
パース戦略 5 種とファイル形式ごとの自動選択

PII — インデックス前に消す

個人情報はパース直後にマスキングされ、マスキング済みの本文だけがチャンキング・埋め込み・インデックスに進みます。正規表現で足りない箇所は、チェックサム検証とサンドボックス上のユーザー関数が補います。

PII の適用時点と 3 つのマスキング方式・ユーザー関数サンドボックス
PII の適用時点と 3 つのマスキング方式・ユーザー関数サンドボックス

チャンキング — 検索が当たる単位

チャンクは検索が実際に照合する単位です。大きすぎると根拠がノイズに埋もれ、小さすぎると文が自立しません。文書の性格に合う境界戦略をコレクションごとに選びます。

チャンキング戦略 8 種とサイズ単位・オーバーラップ設定
チャンキング戦略 8 種とサイズ単位・オーバーラップ設定

埋め込み — 検索できるベクトルへ

埋め込み設定がコレクションのベクトル空間を決めます。プロバイダー・モデル・次元・距離指標はコレクション作成時に確定し、後から変更するには再インデックスが必要です。閉域網や CI では、埋め込みサーバーなしでも配線を検証できます。

埋め込みプロバイダー 3 種とベクトル空間設定・次元ガード
埋め込みプロバイダー 3 種とベクトル空間設定・次元ガード

検索 — 根拠を見つける仕組み

一つの質問がベクトル検索とレキシカル検索に分かれ、RRF で再び統合されます。その間、コレクション境界とメタデータフィルターが読み取れる範囲を強制し、ベクトルストアはコンテンツを移さずに差し替えられます。

ベクトル・レキシカルの並列検索と RRF 融合・検索範囲の境界
ベクトル・レキシカルの並列検索と RRF 融合・検索範囲の境界

リランキング — 広く探し、狭く選ぶ

一次検索は取りこぼさないことが目的なので候補を広く集めます。リランキングはその候補だけを精密に見て順序を入れ替えます。クエリ時点の設定なので変更しても再インデックスは不要で、リランカーが失敗しても検索は融合順で生き残ります。

リランカー 4 種と top-N 再整列・失敗時のフォールバック
リランカー 4 種と top-N 再整列・失敗時のフォールバック

評価 — 品質を数値で測る

検索は LLM なしで Hit Rate・MRR として計算し、回答は LLM 判定者が忠実性・関連性・正確性の 3 軸で採点します。設定スイープは再インデックスの要否で探索空間を分け、ホールドアウトと過学習フラグが優勝設定を検証します。

検索・生成の指標と総合スコア、スイープ 2 軸とホールドアウト検証
検索・生成の指標と総合スコア、スイープ 2 軸とホールドアウト検証

プラットフォームアーキテクチャ

フロントエンドダッシュボード・RAGバックエンド・推論サーバー・データストア/レジストリが有機的に連携し、推論・ワーカーはエージェントで分離デプロイして規模に応じて段階的に拡張します。

Frontend Dashboard
Next.js 16 · React 19
ナレッジベース・Playground・チャット
パイプライン・評価・可観測性
フィードバック・文書ルーティング・ファインチューニング
アノテーション・画像エクスプローラー
モデル管理・サーバー管理・ソースウォッチ
ジョブ(Jobs)・ユーザー/権限・APIキー・PIIルール
RAG Backend
FastAPI :4700
インジェスト — 解析・チャンク・埋め込み・索引(非同期ワーカー)
クエリ — ハイブリッド検索・リランク・生成
評価・トレース・フィードバック・パイプラインバージョン
RAG文書ルーティング・ソースウォッチ
servermgr — エージェントデプロイ・プロキシ・ハートビート
REST・SSEストリーミング・ローカルJWT/Keycloak
Inference
ローカルまたは分離デプロイ
埋め込み :8080 — FastEmbedローカル・OpenAI互換
リランカー :8081 — cross-encoder
検出(OCR):8082 — PaddleOCR・EasyOCR
生成LLM — Claude・OpenAI互換・Ollama・vLLM
VLM(vLLM)— スキャン文書・画像解析
GPUバリアント — cpu・gpu(onnx)・gpu-torch
Data Stores
PostgreSQL · MinIO · zot
PostgreSQL + pgvector — チャンク・ベクトル・tsvector(正本)
交換可能なベクトルストア — Qdrant · Weaviate · Milvus · Databricks
トレース・評価・フィードバックを同一データプレーンに
MinIO / S3 — 原本文書・画像・モデルパック
Model Repository(argus-models)
zot OCIレジストリ — 閉域網イメージ
buildx bake — amd64+arm64 マルチアーキ

主要機能

インジェスト・解析・チャンクからハイブリッド検索・生成、評価・設定スイープ・検索ファインチューニング、バージョン・可観測性、エージェントデプロイ・エアギャップ、アノテーション・画像まで — RAG全周期の12本の柱を単一プラットフォームで提供します。

構築 · Build

文書を取り込み、読み取り、分割し、適切な知識ベースへ振り分ける段階

3つの流入経路からインデックスまで — インジェストパイプライン
3つの流入経路からインデックスまで — インジェストパイプライン

インジェストパイプライン

マルチフォーマット文書をアップロード→解析→チャンク→埋め込み→索引まで非同期ワーカーで処理します。

txt/pdf/docx/xlsx/pptx/hwp/hwpx などマルチフォーマットローダー
ソースウォッチ — ドロップゾーン定期スキャン・無人取り込み
content_hash 冪等性・再処理(reindex)
ジョブ進捗の追跡・ワーカーの分離デプロイ

解析戦略5種

文書特性に合わせて解析戦略をコレクション単位で選択します(未導入時は自動フォールバック)。

text · layout(pdfplumber)· docai(docling)
vlm — ビジョンLLM(スキャン・複雑レイアウト)
rhwp — HWP/HWPX専用Rustパーサー(結合表を保持)
可用性イントロスペクション・実モデル検証

チャンク戦略8種

検索品質を左右するチャンクを、表の保持・意味境界まで緻密に実装しました。

recursive · fixed · sentence(韓国語kss)· paragraph · section
markdown(表・コードブロック保持・見出しbreadcrumb)· semantic · auto
char / token(tiktoken)単位・スマートオーバーラップ
小チャンク結合・チャンク予算キャップなどの品質ガード

ナレッジベース設計 — fail-closed分離

コレクションをテーマの束ではなく、セキュリティ分離境界として設計しました。

全クエリを collection_id で物理フィルタリング(fail-closed)
埋め込みモデル・次元・距離メトリックを不変に固定 — ベクトル空間の整合性
決定的文書ルーティング — 優先順位・first-match-wins
セキュリティ等級が不確実なら最高等級に割り当てる特則

検索 · 生成 · Retrieve & Generate

質問に合う根拠を探し、引用付きの回答を作る段階

ベクトル・レキシカルの並列検索から引用付き回答まで
ベクトル・レキシカルの並列検索から引用付き回答まで

ハイブリッド検索&生成

意味とキーワードを並列検索して融合し、引用付きの回答を生成します。

ベクトル(pgvector)+レキシカル(tsvector)+RRF融合
リランキング none / llm / local / cross_encoder
[n] グラウンディング引用回答・マルチターンチャット(SSE)
フェデレーションクエリ — 異種埋め込みコレクションのRRF統合
交換可能なベクトルストア — pgvector · Qdrant · Weaviate · Milvus · Databricks

モデルの柔軟性

埋め込み・リランカー・生成LLM・VLM・OCRをワークロードに合わせて入れ替えます。

埋め込み — local(FastEmbed)· OpenAI互換(TEI/vLLM/Ollama)· 既定 bge-m3
生成LLM — Claude・OpenAI互換・Ollama・vLLM
VLM(vLLM)・OCR検出(PaddleOCR/EasyOCR)
コレクション別モデル・次元・距離の指定・次元自動検知

評価 · 運用 · Evaluate & Operate

品質を数値で測り、バージョンで管理する段階

測定 → 最適化 → 改善のループ
測定 → 最適化 → 改善のループ

評価ハーネス

ゴールデンデータセットとLLMジャッジで品質を数値で測定します。

ゴールデンセット(質問・正解文書)管理・フィードバック昇格
検索指標 — Hit Rate・MRR
生成指標 — LLM-as-Judge 3軸(Faithfulness・Relevance・Correctness)
holdout・過学習フラグ・ジャッジゲーティング

設定スイープ&改善ループ

チャンク・検索モード・top-k・リランカーの組み合わせを自動探索し、リーダーボードで比較します。

クエリ軸+インデックス軸(一時コレクション)のスイープ
リーダーボード — Hit Rate・MRR・ジャッジスコアで整列
優勝設定をパイプライン新バージョンへ反映・ロールバック
トレース → フィードバック👍/👎 → ゴールデンセット昇格の還流

パイプラインバージョン&可観測性

検索・リランク・生成設定をバージョン可能な資産として扱い、すべてのクエリを計測します。

append-onlyバージョン・ステージ・ロールバック・フィールド別diff
バージョンごとの評価連動 — リグレッションを事前遮断
Query Trace — 段階別レイテンシ・トークンキャプチャ
統計 — 成功率・p50/p95・人気クエリ・APIキー(M2M)

拡張 · デプロイ · Extend & Deploy

ドメインに合わせて調整し、どこへでもデプロイする段階

検索ファインチューニング

ドメイン用語・略語に合わせて埋め込み・リランカーをチューニングします。

用語辞書 → 合成クエリ生成・ラベリングUIレビュー
(クエリ・正例・負例)トリプレット学習データセット構成
JSONLエクスポート・外部トレーナー(M2Mコールバック)
モデルレジストリ登録 → 埋め込みサーバー入れ替えデプロイ

エージェント遠隔デプロイ&エアギャップ

各ホストのArgus Agentがワーカー・推論サーバーをデプロイし、閉域網へはモデルパックで搬入します。

servermgr — エージェント登録・遠隔デプロイ・プロキシ・ハートビート
GPUバリアント自動選択 — amd64 gpu(onnx)・arm64 gpu-torch
モデルパック搬入・Model Repository自動インストール・オフラインサービング
zot OCIレジストリ・buildxマルチアーキイメージ

アノテーション&画像パイプライン

文書内の画像・スキャンをOCR・VLMで知識化します。

画像OCRラベリング — AI-Hub JSON互換
検出サーバーによる下書きラベル提案(PaddleOCR/EasyOCR)
画像エクスプローラー・VLM内容分析の索引化
HWPプレビュー — Chromiumレンダリング(@rhwp/core)

韓国語文書のためのパイプライン

HWP の結合表、スキャン PDF、脚注や段組み — 一般的な RAG フレームワークが取りこぼす文書を専用経路で処理します。

実文書の課題と Argus RAG Studio の対応
実文書の課題と Argus RAG Studio の対応
  • rhwp — HWP/HWPX 専用 Rust パーサーで結合表の構造まで保持
  • kss による韓国語の文分割 — 助詞・引用符を考慮した境界
  • VLM・PaddleOCR — スキャン・図面・画像からテキストとキャプションを抽出
  • AI-Hub 互換アノテーション — bbox+テキストのラベリング入出力

エアギャップまで届くデプロイ

中央のバックエンドが各ホストのエージェントへ遠隔デプロイし、モデルはパックとして持ち込みオフラインで提供します。金融・公共・防衛の網分離要件にそのまま対応します。

エージェント遠隔デプロイとエアギャップのモデル搬入経路
エージェント遠隔デプロイとエアギャップのモデル搬入経路
  • servermgr → Agent :4501 — ワーカー・埋め込み・リランカー・検出・VLM を遠隔で設置・起動・停止
  • GPU バリアント自動選択 — cpu・gpu(onnx)・gpu-torch
  • zot OCI レジストリ — コンテナイメージまで完全オフライン
  • モデルレジストリ — パック搬入後、デプロイ時に対象サーバーへ自動インストール
技術スタック
Python 3.11+FastAPI (async)SQLAlchemy 2.0Pydantic v2PostgreSQL + pgvectorMinIO / S3Next.js 16React 19TypeScriptTailwind 4 · shadcn/uiFastEmbed(ONNX) · torch(cu128)Docker/Podman · zot · buildxJWT · Keycloak OIDC · APIキー
Apache License 2.0 · オープンソース

オープンソースで公開されるRAGプラットフォーム

Argus RAG Studio は Apache License 2.0 で GitHub に公開されます。バックエンド(FastAPI)・フロントエンド(Next.js)・スタンドアロンの埋め込み/リランカーサーバーまでRAGエンジン全体を公開し、企業がコードを直接検証し、自社環境に合わせて拡張し、データを外部に出さずに運用できます。

  • 商用利用の制約がない Apache 2.0
  • コードを直接検証・拡張可能
  • エアギャップ・オンプレミスで自社運用